簡単に育ってくれて、涼しい日陰を作る日本の水生植物。
もともとは田んぼの雑草です。通常のオモダカは3枚の花弁の素朴な花を咲かせますが、ヤエオモダカは改良して観賞用にしたものらしく、ボンボンみたいな丸いかわいい花が咲きます。
葉の下に手を入れると蒸散作用のせいで少しひんやりしています。葉の大きめな種類なら水場の日陰作りにも向いています。年末にはおせち用の生クワイが販売されていますが、これも水に浸けておけば春に芽を出して育つそうです。
英語名:Arrowhead Plant
中文名:慈菇 三角剪 剪刀草 野茨菰 水芋仔
日本名:オモダカ(沢瀉)
出会いは偶然…いただきました。
睡蓮鉢でのメダカ飼育を始めたばかりの頃、ヤエオモダカのクワイが余ってるけど捨てるに忍びない…という方から頂いたのが栽培のきっかけです。その方の栽培環境が良かったのか丸々した健康そうなクワイを沢山いただきました。直径2cmくらいはありました。
下の写真はその時のものですが、今育ててるのは、杜若園芸さんから購入したものです。
ある程度葉が育つと、ある日つぼみをつけた茎がスッと伸びてきて、しばらくしてから花が開きます。
最初はクリーム色でギュッと詰まった感じの花ですが、翌日くらいには花弁もふんわりしてきて、色も白く変わります。
花が開く頃には、うっすらピンクを加えたような色合いになることもあります。
オモダカを育てるのはかなり簡単です。
クワイで今まで芽を出さなかったものはありません。発芽はほぼ確実です。上の写真のような小さいクワイでも発芽して葉を広げました。芽の先が乾燥すると発芽しにくいようなので、下の画像のように緑の葉が出るまでは、芽の先まで全部水に沈めておきます。クワイのほかに、塊茎(かいけい)と言ったり、たまに球根と言ったりもします。
土は赤玉土でOK、肥料は多め、鉢は大きなもののほうが根が伸びてよく育ちます。10号くらいの鉢に直接植えて日向に置くと、ズンズン成長します。ヤエオモダカはランナーを伸ばして広がっていくタイプなので、広い鉢でもクワイは1〜2個で十分です。
最初の葉が出るのは5月くらいで、他の水生植物の勢いに比べるとスロースターターな感じです。最初は倒れることもありますが、根を張ると自然に上に向かって伸びていきます。台風では茎が数本折れたりもしますが、またすぐに新しい葉が伸びてくるので折れた茎は切り取って捨てても構いません。
運が良ければ秋には黄葉することも。モダカの仲間の中では、ナガバオモダカやサジオモダカは寒さに強い種類です。